東日本大震災の発生以来2年あまり、避難所の環境改善をテーマに活動を続けてきましたが、この度、活動の周知と報告を兼ねてシンポジウムを開催することになりました。

日本は世界の国々の中でも随一の災害大国であり、大災害がひとたび起こると、計り知れない人的被害をもたらします。

東日本大震災では約2万人の方が亡くなりました。そのことを踏まえ、政府や自治体や研究者など様々な団体が長年防災に取り組んできており、片方では日本は世界に冠たる防災大国でもあると言われています。

しかし、それでも自然の力というものは人間には計り知れないほどの威力があるので、想定外とは言わずひたむきに防災に取り組んでいるわけです。

そんな中で、減災という観念が出てきました。阪神大震災以降のようですが、防災に取り組むといっても人間には災害自体を防ぐことは到底できません。それよりも災害を想定してそれに備えることにより、被害を最小限に留めようという発想です。

言い換えると、発生以前の平時からお金や人を投入して防災対策を講じ、来るべき災害発生時には結果的に被害を小さくしようということです。

看過できない震災関連死

私たちは、段ボールベッドの活動を継続している中で、震災関連死について注目をしました。

震災関連死は、阪神大震災では死者6,434 名のうち14.2 %の919 名、中越地震では死者68 名のうち76.4%の52 名、東日本大震災では、18,649 名のうち、平成24 年3 月31 日までの約1年間で約8.8%の1,632 名が、平成24年9月30日までの1年半では12.3%の2303名が認定されていて、それは未だに増え続けています。

また震災関連死はあくまでも自治体が認定をした人数であり実際には認定されなかった方がもっと多くいると考えるのが自然かもしれません。

復興庁の震災関連死に関する検討会が平成24 年8月21 日に発表した“東日本大震災における震災関連死に関する報告”というレポートがあります。

その中には震災関連死の約33%が“避難所における生活の肉体的精神的疲労”が原因だったと記載されていますが、被災者の声を一部を引用すると、

・ 冷たい床の上に薄い毛布1 枚を敷く

・ 避難所の出入口付近にいたため足元の埃により不衛生な環境だった

・ 寒いため布団の中にいることが多くなった.体も動かなくなり食べることも水分も取らなくなってきた

・ 避難所で狭いスペースに詰め込まれ,精神的体力的に疲労困憊の状態

・ 地震により,ケアセンターの2 階病室ベッドより,1 階フロアに集められ過ごしていた

日本の避難所の様子

以上のように、震災における全死者の約10%が震災関連死で、そのうち33%が避難所の劣悪な環境が原因で亡くなっています。

東日本大震災のケースでは539 人になる計算ですが、そもそも避難所にいる方々は災害から難を逃れた幸運な人であるはずです。ですから避難所で多くの人が亡くなっていくこと自体が、大変問題であるとおもいます。

なぜならば簡易ベッドをはじめ避難所の環境整備という打つ手があるからです。

日本初 簡易ベッドを導入した模擬避難所の開設とシンポジウムの開催

震災後半年程で、やっとすべての避難所が閉鎖されました。

その後私たちは、全国の自治体と災害時に避難所へ段ボールベッドを供給する防災協定を締結する取り組みを始めました。平成25年3月31日現在、全国110市区町村と締結済みです。

しかし全国には1742もの市区町村が存在します。市民の命を守る義務があるのは都道府県ではなく市区町村なので、そのすべてと防災協定を結ぶには莫大な時間と手間がかかります。

欧米諸国は避難所には簡易ベッドを導入することが義務付けられているのですが、日本も早期に簡易ベッドが導入されることが常識という世の中にするには、さらに多くの人に知ってもらう必要があります。

そこで、シンポジウムを開催してこの取組を知ってもらおうという訳です。

当日は、自治体の防災担当者様や多くの市民が参加してくれる予定です。無料ですので、どなたでも沢山の方に来ていただいて避難所のあるべき姿を知ってもらいたいと思います。

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